地 歌
 
地 歌
 三味線の起こりは、中国・元時代の「三弦(サンシェン)」という楽器で、明の時代になってこれが琉球に伝わり、そして本州に来て「三味線(しゃみせん)」になったといわれています。
 もともと「ばち」はなく、これを最初に弾いたのが琵琶法師であったため、琵琶とよく似たばち弾きとなったのだそうです。
 三味線の伝来により石村検校、虎沢検校によって生まれた三味線組曲こそ「地歌」の起源であり、江戸時代になると地歌は盲人の専業として発達しました。
 地歌はさらに箏曲と交流し器楽として確立されますが、長唄、端唄、小唄の派生とともに地歌は、地味な様相を保つこととなります。

 江戸に移って発展した長唄に対して上方に根ざした地歌は、上方歌ともよばれます。
 大阪の島の内で生まれ育った私にとっては、体にしみ込んだ音楽でもあります。少し一般のお客様から遠ざかってしまった地歌や上方唄を、身近に楽しんで頂けるよう、私なりに頑張りたいと思っています。

 


 
 
 中国の三弦は胴が丸く、蛇皮が用いられていました。それを猫皮を用いた角形の胴にかえた日本の三味線は、わが国独特の楽器として生まれかわったといえるでしょう。
 

 

 弦は太いものから順に一の糸、二の糸、三の糸とよび、ばちで上から普通に弾く場合と、下からすくって弾くスクイがあります。またばちを使わず左指ではじくハジキ、打つ方法はウチ、ばちで弾いてから弦を左指で摩擦するスリ、コキなどの奏法があり、たった三弦のシンプルさゆえに、さまざまな音を創作できる楽器です。
三味線の調弦
では三味線の基本的な音階をお聴きください。(.au)

  1. 本調子(39k)

  本調子
  2. 二上り(39k)

  二上り
  3. 三下り(39k)

  三下り

  4. 本調子の場合の音階(59k)・・・地歌以外は「0」から始まる場合が多い

  本調子の場合の音階


 

 ♪オーディオサンプル――――――――地 歌

1. 三味線の独奏(176k)
サンプル.1
2. 三味線と箏の合奏(176k)
サンプル.2
参考文献
  • 星 旭/著(音楽之友社)
    「日本音楽の歴史と鑑賞」
    「指導者のための日本音楽鑑賞の手びき」
  • 戸口 幸策・小泉 文夫/監修(平凡社)
    「ポケット音楽百科」




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